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高次脳機能障がいのリハビリテーション
当院では平成24年から、精神科ディケアで高次脳機能障がいの方を対象にリハビリを行っています。リハビリによって、回復はゆるやかであっても症状はよくなっていきます。
高次脳機能障がいでは、事故や脳卒中などの前後で以前の自分とはなにか違う、思ったことを話すことができない、人の話しが理解できない、すぐに忘れてしまう、気が散ってしまう、感情が抑えられない、など様々な症状があらわれます。一見、普通に会話し生活しているように見える為、他人からはその障害の存在を気づいてもらえないことが多いものです。脳に損傷を受けることにより、記憶障害・遂行機能障害・注意障害・半側空間無視・行動と感情の障害・失語症など様々な症状がみられます。
現在の医療制度では、急性期・回復期のリハビリが終了するとそのあとのリハビリを行うところはかぎられています。しかし、回復期のあとの展開期のリハビリも必要な方は多くおられます。
当院では、そういった高次脳機能障がいの方のリハビリを週三回(月・水・金)精神保健福祉士・作業療法士・臨床心理士・言語聴覚士・看護師など専門のスタッフが脳リハを行っています。
脳損傷の結果生じた症状に対して回復を目指して行っているプログラムの一例
- ・書道
- 目的: 同時注意 持続性注意 構成機能 失行
- ・工作(粘土、お面づくり、かご作り、プラ板、手芸等)
- 目的: 同時注意 持続性注意 構成機能 遂行機能 失行 言語理解(手順書を理解できるか) コミュニケーション(分からない場合質問が出来るかなど) 手順の記憶
- ・三択クイズ(自分に関する3択クイズを作る)
- 目的: 前頭葉機能(発想、予測、他者がどう考えるか想像する等) コミュニケーション(会話)(協調性)
- ・スポーツ:ボウリング、ダーツ、卓球、カローリング、ビアポン
- 目的: 協調運動や力の調整 失行 遂行機能 基礎体力 全体へ注意を配る 手順の記憶
- ・都道府県名前完成ゲーム(一文字ずつばらばらになっているので、都道府県の名前を完成させる。)
- 目的: 選択性注意 持続性注意 処理速度 遂行機能 語想起
- ・条件付きジェンガ
- 目的: 巧緻性 同時性注意 順番への注意
- ・条件付き坊主めくりやカードゲーム
- 目的: 同時性注意 ルールの記憶 順番への注意
- ・13ならべ、7ならべ
- 目的: 同時性注意 選択性注意 遂行機能 左無視
- ・コラージュ
- 目的: 巧緻性 心理的表現 構成機能 左無視 遂行機能
- ・映画
- 目的: 持続性注意 言語理解 作動記憶 処理速度 非言語性要素の理解 登場人物の関係性理解
ご家族に向けては、家族教室も開催しています。高次脳機能障がいと診断された方のご家族が集い、症状や社会制度について学び、考え、実生活での悩みを共有したり、他のご家族と交流を持っていただくための会です。「どこになにを相談したらよいかわからない」「これまで誰にも理解してもらえなかった」「これからどうしたらよいのかわからない」等、お悩みの方は、お気軽にご相談ください。